甲状腺がんになったら 〜癌治療・がん保険・ガン検診〜

甲状腺がんとは何か?まずは知識を深めよう

甲状腺がんと診断されたからといって愕然としたまま過ごすわけにはいきません。

まずは甲状腺癌に関する知識を深めて、自分の中がどういった状態なのか、どうなるのか、どうすればいいのかを理解するところから始めましょう。そうすると自ずと何をしなければならないのかが見えてくるはずです。サポートをする周りの家族の方も一緒に知識を深められればより一層、生活に安定感が出るでしょう。

▼ 甲状腺がんとは ▼

甲状腺は気管付近、のどぼとけと呼ばれる部位周辺にある腺で、右葉と左葉から構成されています。
左右の甲状腺葉は峡部でつながっています。
健康な状態の甲状腺では通常、皮膚を通して感じることはできません。
甲状腺の主な機能は、食べ物などに含まれるヨウ素を用いて数種類のホルモンをつくることです。

甲状腺癌は主に4つに分類されます。
◆甲状腺乳頭がん:甲状腺がんの中で最も発症率が高い癌です。
◆甲状腺濾胞がん
◆甲状腺髄様がん
◆甲状腺未分化がん

▼ 発症率・再発率・生存率・リスク要因 ▼

  発症率  
女性に起こりやすい癌です。

  年齢別の発症率  
40歳代〜50歳代の比較的若い人に多く発生します。

  リスク要因  
◆放射線被ばく(特に小児期)
◆甲状腺刺激ホルモンの増加
◆ヨードの過剰摂取・過剰欠乏
◆家族歴

▼ 放射線リスク・関連性について ▼

放射線照射における発がん性へのリスク要因は、以前から懸念されていました。
診断用エックス線は、人工的である放射線源としては最も線量の大きいもので、
世界平均の年間被ばく線量の15%を占めると言われていて、
診断用エックス線による発がんリスクはこれまでも問題視されてきました。
ただ、被ばく量や癌の部位・進行状態ごとの詳細な関連性のデータはなく、
あくまで「リスク要因の1つ」として挙げられるものです。

2011年に日本で起こった放射能漏れ事故に伴い、放射線と発がんリスクについてが問題視されています。
ここでは、診断用エックス線を調査対象とした全世界のリスク要因データを基に記述しております。
具体的な数字やデータに責任の追えるものではありませんが、参考程度と考えて頂ければ幸いです。

診断用エックス線による75歳までの発がん累積リスクの推定値は、世界平均は約3%と言われています。
この数字は、先進15カ国を抜粋し計算されていて、被ばく頻度によりその推定値は大きく変動が予想されます。
リスク要因が高い数字で示された癌は男性では膀胱がん、大腸がんと白血病の順。
女性では大腸がん、肺がん、乳がんの順となっています。

初期症状・症状について

◆嗄声:声帯運動を司る反回神経障害による声がれ。
◆呼吸困難
◆血痰
◆咽に固いしこり
◆リンパ節の腫れ
◆急激な体力減少

最新の診断方法

  触診  
甲状腺ガンの初診はほとんど触診が行われます。
触診により腫瘍の形や有無、数までがおおよそ判断可能です。
以下の検査は触診によりある程度、甲状腺がんが疑われるときに行われます。

  超音波検査  
痛みを伴わず、ごく小さな癌細胞も発見可能です。

  穿刺細胞診  
確定診断の際に用いられる方法です。
注射針で癌が疑われる細胞を採取し、顕微鏡で確認します。

  CT検査・MRI検査  
他臓器への転移の有無を調べ、症状の進行具合を調べる際に多く用いられます。
いろいろな角度から体内の画像を撮影します。
痛みを伴いません。

  シンチグラフィー  
放射性物質を使い、体内物質のうち親和性のある組織への集積を調べる方法です。
甲状腺癌の検査ではガリウム、テクネシウム、ヨードなどがあります。
甲状腺ガンの性質や状態・遠隔転移の検査も可能です

甲状腺がんに対抗するための治療法・抗がん剤

甲状腺がんを治療するための最新医療。

治療方法は大きく外科療法、放射線療法、ホルモン療法、化学療法とがあります。
甲状腺ガンにおいては、未分化がんを除き外科療法が最も一般的な治療方法です。

▼ 外科療法 ▼

がん細胞の組織を含めた周りの正常組織も同時に切除するのが一般的です。
がん細胞のある部位により処置箇所は異なります。

▼ 放射線療法 ▼

アイソトープ療法・放射性ヨード療法とも呼ばれます。
放射性ヨード療法とは甲状腺がん特有の治療方法で、甲状腺のみがヨードを取り込む性質であるのを応用したもので、 甲状腺全摘出後に、ヨードに放射能を付けたものを内服すると、甲状腺癌による遠隔転移部位へ到達する可能性が高く、 そこで放射能を放出する事で癌細胞を破壊します。

甲状腺がんになったら

甲状腺癌と診断されたからといって愕然としたまま過ごすわけにはいきません。

診断された数日〜数週間は現実を受け入れられなくて悩み、葛藤し、自暴自棄になり気が立ってサポートしてくれるはずの家族や友人・スタッフに当たり散らすのはごく自然で人間らしい行動です。人間は誰しもがんという病に侵される可能性を持って生れます。それが人よりも早いか遅いか、寿命よりも早いか遅いかの問題です。現代人の寿命が延びれば延びるだけ、寿命よりも病魔に侵される人が多くなります。

今、自分が病魔に侵されたと解った現実こそが運が良かったと思えるときがくるように前に一歩踏み出しましょう。

まず、病気をきちんと治療してくれる病院を見つけることから始めて、口コミや人気、評判を参考に有名な病院で自分に合った専門医を探しましょう。次に始めなければならないのが精神面のケアになります。精神面のケアは自分自身でも出来る対抗手段のひとつで、これからの人生にとってとても大切なターニングポイントです。

地域ごとに同じ病気で悩んでいる人たちと悩みを聞きあったり、苦労を分かち合ったりするサークルや集まりがあります。また、地域や病院によってはがんに関する知識を付けてもらおうとそれぞれの講座を開催しているところもあります。

目の前の敵に対して確固たる姿勢を見せつけてやりましょう。