脳下垂体腫瘍になったら 〜癌治療・がん保険・ガン検診〜

脳下垂体腫瘍とは何か?まずは知識を深めよう

脳下垂体腫瘍と診断されたからといって愕然としたまま過ごすわけにはいきません。

まずは脳下垂体腫瘍に関する知識を深めて、自分の中がどういった状態なのか、どうなるのか、どうすればいいのかを理解するところから始めましょう。そうすると自ずと何をしなければならないのかが見えてくるはずです。サポートをする周りの家族の方も一緒に知識を深められればより一層、生活に安定感が出るでしょう。

▼ 脳下垂体腫瘍とは ▼

下垂体腫瘍(かすいたいしゅよう)とも言います。
脳にある下垂体と呼ばれる部分に起こる腫瘍の総称です。
下垂体とは首から上、頭ほぼ中心に位置しており、大きさは大豆ほど。
脳からぶら下がるようにして存在している為、「下垂体」または「脳下垂体」と呼ばれています。
下垂体は前葉と後葉から構成されており、前葉からは5種類の、
後葉からは2種類の体にとって大変重要なホルモンが分泌されます。

下垂体腺腫は、ホルモンを異常に多く分泌する「ホルモン産生型腺腫」と、
ホルモンを分泌しなくなる「ホルモン非分泌性腺腫」とに大きく分類されます。
ホルモン産生型であれば、産生するホルモンの種類により体にあらゆる異常が起こります。
逆にホルモン非分泌性腺腫だと、腫瘍がかなり大きくなるまで症状の現れない事が多いです。

▼ 発症率・再発率・生存率・リスク要因 ▼

  発症率  
年間、人口10万人につき2人の割合で発症すると言われています。

  年齢別の発症率  
20〜50歳代に最も多く発症します。

▼ 放射線リスク・関連性について ▼

放射線照射における発がん性へのリスク要因は、以前から懸念されていました。
診断用エックス線は、人工的である放射線源としては最も線量の大きいもので、
世界平均の年間被ばく線量の15%を占めると言われていて、
診断用エックス線による発がんリスクはこれまでも問題視されてきました。
ただ、被ばく量や癌の部位・進行状態ごとの詳細な関連性のデータはなく、
あくまで「リスク要因の1つ」として挙げられるものです。

2011年に日本で起こった放射能漏れ事故に伴い、放射線と発がんリスクについてが問題視されています。
ここでは、診断用エックス線を調査対象とした全世界のリスク要因データを基に記述しております。
具体的な数字やデータに責任の追えるものではありませんが、参考程度と考えて頂ければ幸いです。

診断用エックス線による75歳までの発がん累積リスクの推定値は、世界平均は約3%と言われています。
この数字は、先進15カ国を抜粋し計算されていて、被ばく頻度によりその推定値は大きく変動が予想されます。
リスク要因が高い数字で示された癌は男性では膀胱がん、大腸がんと白血病の順。
女性では大腸がん、肺がん、乳がんの順となっています。

初期症状・症状について

脳下垂体腫瘍の症状については、ホルモン産生型腺腫とホルモン非分泌性腺腫とで大きく違います。
ホルモン産生型腺腫であれば、あらゆるホルモン異常が起こり、ホルモン非分泌性腺腫であれば、
腫瘍が大きくなり局所を圧迫して起こる圧迫症状が起こります。

  ホルモン異常症候群  
◆プロラクチン産生腺腫
女性に起こりやすい腫瘍で、下垂体腺腫の約4割を占めます。
女性に起こる症状としては無月経、乳汁分泌。
男性では性欲低下やインポテンツ。
その他、視野障害も。

◆成長ホルモン産生腫瘍
男性に起こりやすい腫瘍で、下垂体腺腫の約2割を占めます。
症状としては「末端肥大症」と呼ばれる手足の先端、額、あご、唇、舌の肥大化。
成長ホルモンの異常分泌が長期化して起こる症状として、糖尿病・高血圧症。

◆副腎皮質刺激ホルモン産生腺腫(クッシング病)
発症率の低いごく稀な腫瘍です。
女性に多く発症し、特に若年から中年に見られます。
中心性肥満(特に胸・腹が太る)・吹き出物の急増・体毛が濃くなる・下腹部に起こる青紫色のすじ、
高血圧・糖尿病・精神症状。

  圧迫症状  
◆体力の低下
◆尿崩症:薄い尿が多量に出る尿崩症
◆視野障害:両目の上外側から進行し、両目の外側半分、最終的には両耳側半盲が起こります。
◆頭痛

最新の診断方法

脳下垂体腫瘍の診断方法には、大きく分けて画像検査とホルモン検査とがあります。

▼ 画像検査 ▼

  MRI(磁気共鳴法)  
頭蓋骨や脳に影響なく検査できる方法です。
痛みもほとんどありません。
腫瘍のみを映像化可能で、断層面の画像を得る事もできます。
脳や下垂体の構造、あるいは腫瘍の細部までが検査可能で、
腫瘍の正確な大きさや拡がりまで確認可能であるため、現在最も信頼性のおけるな画像診断法とされています。

  CT  
断層撮影を用いた検査方法で、現在最もポピュラー。X線を用います。
利点として、腺腫周囲の骨の状態を併せてを調べられます。

  脳血管撮影  
大腿部にある動脈から細い管を通し、脳の血管にまで送って撮影する検査方法です。
下垂体のすぐ両側にある重要な内頸動脈の走行異常や奇形の有無を調べます。
主に術前に行う検査として用いられます。

▼ ホルモン検査 ▼

多く、静脈から採血を行って検査します。
腺腫のためにホルモンが過剰分泌されていないか、逆に分泌が低下していないかを調べます。
ホルモン産生腺腫であれば、ホルモンの血中濃度の異常高値を確認し、
さらに刺激テストや抑制テストを行います。
又、分泌低下を起こしているホルモンに対しては、ホルモンの分泌刺激検査をします。
分泌刺激ホルモンに対する製剤を注射後、15〜30分間隔で連続採血し、血中濃度検査をします。

脳下垂体腫瘍に対抗するための治療法・抗がん剤

脳下垂体腫瘍を治療するための最新医療。

治療方法は大きく外科療法・放射線療法・薬物療法とがあります。
外科療法・放射線療法は「局所療法」と呼ばれ治療を行った部分にだけ効果が期待でき、
薬物療法では「全身療法」としての効果が期待されます。

▼ 外科療法 ▼

脳下垂体腫瘍の外科療法については経鼻的手術と開頭手術の2つが一般的です。
経鼻的手術では上の前歯のつけ根付近の口腔粘膜を切開し、副鼻腔を経て
薄い骨と膜を切開して、脳下垂体へ到達します。

開頭手術では額の髪の生え際付近から手術を行います。
生え際付近から窓形に骨を開け、硬膜を切開し下垂体部に到達します。
術後、いずれの治療にもホルモン補充療法が必要になる場合が多いです。

▼ 放射線療法 ▼

放射線には癌細胞を死滅させる効果があり、癌組織を破壊させるのに有効です。
又、放射線治療では放射線照射をした部位にだけ効果があるという有用性があります。

脳下垂体腫瘍の治療に対しては、主に補助療法として用いられます。
1週間のうち5日間連続で照射し、これを4〜5週間ほど続けます。
外来通院も可能な上、近年では狭い範囲に集中的照射が可能となってきました。
これにより、治療期間も大幅に短くなっています。

副作用は、まれに抜け毛(再生なし)。

▼ 薬物療法 ▼

薬物療法では多かれ少なかれ副作用が想定されます。
副作用は人により症状の重さ・軽さなどが違ってきます。
薬物療法は副作用が起こる個人差の大きい治療法ですので、十分な説明を受け、知識を深めることも大切です。

◆副作用は、服用開始時に吐き気や立ちくらみ、便秘。

脳下垂体腫瘍になったら

脳下垂体腫瘍と診断されたからといって愕然としたまま過ごすわけにはいきません。

診断された数日〜数週間は現実を受け入れられなくて悩み、葛藤し、自暴自棄になり気が立ってサポートしてくれるはずの家族や友人・スタッフに当たり散らすのはごく自然で人間らしい行動です。人間は誰しもがんという病に侵される可能性を持って生れます。それが人よりも早いか遅いか、寿命よりも早いか遅いかの問題です。現代人の寿命が延びれば延びるだけ、寿命よりも病魔に侵される人が多くなります。

今、自分が病魔に侵されたと解った現実こそが運が良かったと思えるときがくるように前に一歩踏み出しましょう。

まず、病気をきちんと治療してくれる病院を見つけることから始めて、口コミや人気、評判を参考に有名な病院で自分に合った専門医を探しましょう。次に始めなければならないのが精神面のケアになります。精神面のケアは自分自身でも出来る対抗手段のひとつで、これからの人生にとってとても大切なターニングポイントです。

地域ごとに同じ病気で悩んでいる人たちと悩みを聞きあったり、苦労を分かち合ったりするサークルや集まりがあります。また、地域や病院によってはがんに関する知識を付けてもらおうとそれぞれの講座を開催しているところもあります。

目の前の敵に対して確固たる姿勢を見せつけてやりましょう。