精巣腫瘍(睾丸腫瘍)になったら 〜癌治療・がん保険・ガン検診〜

精巣腫瘍(睾丸腫瘍)とは何か?まずは知識を深めよう

精巣腫瘍(睾丸腫瘍)と診断されたからといって愕然としたまま過ごすわけにはいきません。

まずは睾丸腫瘍に関する知識を深めて、自分の中がどういった状態なのか、どうなるのか、どうすればいいのかを理解するところから始めましょう。そうすると自ずと何をしなければならないのかが見えてくるはずです。サポートをする周りの家族の方も一緒に知識を深められればより一層、生活に安定感が出るでしょう。

▼ 精巣腫瘍(睾丸腫瘍)とは ▼

精巣は、男性ホルモンを分泌し、精子を作りだす臓器です。
そのため、精巣腫瘍(睾丸腫瘍)は男性特有の病気です。
男性ホルモンの分泌と精子を作りだす細胞は、同じ精巣にあって、全く異なったものです。
男性ホルモンはライディヒ細胞と呼ばれるものから生成されます。
一方で精子をつくる基となるのは精母細胞と呼ばれる細胞で、精巣にて起こる悪性腫瘍のほとんどは、
この精母細胞から発生するもので、胚細胞腫瘍とも呼ばれています。

▼ 発症率・再発率・生存率・リスク要因 ▼

  発症率  
日本人男性10万人中0.7〜2.4人が発症すると言われています。

  年齢別の発症率  
20歳〜30歳と若年層に多いのが特徴で、20代における男性の癌においてもっとも多く見られる癌です。

  地域分布  
北欧やスイスで多くみられ、アジアとアフリカで少ないです。
人種別では白人に多く黒人に少なくなっています。

  リスク要因  
◆停留精巣(乳幼児期に精巣が陰嚢(いんのう)内におさまっていない場合)の既往
◆胎児期におけるエストロゲン曝露
◆後天性免疫不全症候群(AIDS)
◆耳下腺睾丸炎
◆精巣のウイルスなどの感染症
◆家族歴

▼ 放射線リスク・関連性について ▼

放射線照射における発がん性へのリスク要因は、以前から懸念されていました。
診断用エックス線は、人工的である放射線源としては最も線量の大きいもので、
世界平均の年間被ばく線量の15%を占めると言われていて、
診断用エックス線による発がんリスクはこれまでも問題視されてきました。
ただ、被ばく量や癌の部位・進行状態ごとの詳細な関連性のデータはなく、
あくまで「リスク要因の1つ」として挙げられるものです。

2011年に日本で起こった放射能漏れ事故に伴い、放射線と発がんリスクについてが問題視されています。
ここでは、診断用エックス線を調査対象とした全世界のリスク要因データを基に記述しております。
具体的な数字やデータに責任の追えるものではありませんが、参考程度と考えて頂ければ幸いです。

診断用エックス線による75歳までの発がん累積リスクの推定値は、世界平均は約3%と言われています。
この数字は、先進15カ国を抜粋し計算されていて、被ばく頻度によりその推定値は大きく変動が予想されます。
リスク要因が高い数字で示された癌は男性では膀胱がん、大腸がんと白血病の順。
女性では大腸がん、肺がん、乳がんの順となっています。

初期症状・症状について

  陰のう肥大  
痛みや発熱を伴わない陰嚢の腫大が起こります。
しかし、日常から気をつけて精巣の大きさや固さを意識していない限り、
初期段階で精巣内のを自身で発見するのは困難です。

  転移による症状  
◆みぞおちあたりに起こるしこり
◆息切れ・咳
◆血痰

最新の診断方法

  触診  
最初に触診により陰嚢内のしこりについての有無が検査されます。
腫瘍が小さい場合には触診にて精巣内の固いしこりに触れます。
しこりが小さい場合には、超音波検査で精巣内の様子の観察が可能です。
腫瘍が精巣内を大きく占拠する、しこりが大きく精巣全体を覆うようになると、精巣全体をかたいしこりとして感じます。
その場合は暗い部屋などで直接陰嚢に光をあて、どの程度光線を通すかの検査をします。
水が溜まって起こる水腫では精巣は全体に明るく、光が透けて見えます。

精巣腫瘍(睾丸腫瘍)に対抗するための治療法・抗がん剤

精巣腫瘍(睾丸腫瘍)を治療するための最新医療。

精巣に発生する胚細胞腫瘍は、顕微鏡で観察し、以下のように分類されます。
◆セミノーマ(精上皮腫)
◆非セミノーマ:胎児性癌・卵黄嚢腫・絨毛癌
つまりはセミノーマか、非セミノーマかで分類がされる訳ですが、この分類は治療方針を決める上で大変重要なものです。
と、言うのも、精巣腫瘍においてセミノーマでは抗がん剤を投与する化学療法と放射線療法がともに有効とされており、
非セミノーマでは化学療法は有効で、放射線療法は有効でないとされているからです。

▼ セミノーマに対する治療 ▼

セミノーマでは、放射線療法が有効です。
肺や肝、脳転移などへの血行性転移が少ないことから、放射線療法のみで十分に完治が期待されます。

◆副作用は、照射中の全身倦怠感・食思不振・下痢・微熱。
長期的副作用として、二次的消化器悪性腫瘍の発生がごく稀におこります。

▼ 非セミノーマに対する治療 ▼

非セミノーマでは放射線療法が有効ではないため、化学療法が行われる場合が一般的です。
抗がん剤の中でもシスプラチンという薬により、約70〜80%の症例で外科療法との併用で完治が期待されています。

◆副作用は、短期的な副作用として、
食欲不振・嘔気・嘔吐・腎機能障害・耳鳴り・難聴・知覚障害白血球数や血小板数の低下・脱毛
長期的副作用では、
慢性腎機能障害・末梢神経障害。ごく稀に腎腫瘍・白血病

精巣腫瘍(睾丸腫瘍)になったら

精巣腫瘍(睾丸腫瘍)と診断されたからといって愕然としたまま過ごすわけにはいきません。

診断された数日〜数週間は現実を受け入れられなくて悩み、葛藤し、自暴自棄になり気が立ってサポートしてくれるはずの家族や友人・スタッフに当たり散らすのはごく自然で人間らしい行動です。人間は誰しもがんという病に侵される可能性を持って生れます。それが人よりも早いか遅いか、寿命よりも早いか遅いかの問題です。現代人の寿命が延びれば延びるだけ、寿命よりも病魔に侵される人が多くなります。

今、自分が病魔に侵されたと解った現実こそが運が良かったと思えるときがくるように前に一歩踏み出しましょう。

まず、病気をきちんと治療してくれる病院を見つけることから始めて、口コミや人気、評判を参考に有名な病院で自分に合った専門医を探しましょう。次に始めなければならないのが精神面のケアになります。精神面のケアは自分自身でも出来る対抗手段のひとつで、これからの人生にとってとても大切なターニングポイントです。

地域ごとに同じ病気で悩んでいる人たちと悩みを聞きあったり、苦労を分かち合ったりするサークルや集まりがあります。また、地域や病院によってはがんに関する知識を付けてもらおうとそれぞれの講座を開催しているところもあります。

目の前の敵に対して確固たる姿勢を見せつけてやりましょう。