小児がんになったら 〜癌治療・がん保険・ガン検診〜

小児がんとは何か?まずは知識を深めよう

小児がんと診断されたからといって愕然としたまま過ごすわけにはいきません。

まずは小児癌に関する知識を深めて、どういった状態なのか、どうなるのか、どうすればいいのかを理解するところから始めましょう。そうすると自ずと何をしなければならないのかが見えてくるはずです。サポートをする周りの家族の方も一緒に知識を深められればより一層、生活に安定感が出るでしょう。

▼ 小児がんとは ▼

癌は主に癌細胞が最初に起こる部位によって名称が決定されています。
小児がんは0歳〜19歳までの間に起こる癌の総称で、
小児がんの中でも特に多いのが、白血病(白血球のガン)で約3割、脳腫瘍が約2割、神経芽腫とリンパ腫が共に約1割程度となっています。

▼ 発症率・再発率・生存率・リスク要因 ▼

  発症率  
年間2,000〜2,500人。年間の発生は、子供の人口約10,000人に対し1人程度です。

  リスク要因と期待される予防効果  
小児ガンについては、リスク要因・予防効果が明らかになっていないのが現状です。
加えてどうして癌になるのか・どのような子供がかかりやすいかもわかっていません。
ただ、小児ガンにおいては他の癌と異なり、
「遺伝子レベルで問題がある」「出生が悪い」「育て方が悪い」など、非科学的な理由づけで両親や子供自身が悩み、病気だけではなく精神的にもさいなまれてしまうケースが多いと言われています。
思い悩み、精神的に疲れてしまうのは、病気にとって1つも良いところはありません。
近年、小児ガン患者の長期生存率は3割から7割へと確実に向上してきました。
小児がんは、適切な処置により、既に克服可能な病気となりつつあります。

▼ 放射線リスク・関連性について ▼

放射線照射における発がん性へのリスク要因は、以前から懸念されていました。
診断用エックス線は、人工的である放射線源としては最も線量の大きいもので、
世界平均の年間被ばく線量の15%を占めると言われていて、
診断用エックス線による発がんリスクはこれまでも問題視されてきました。
ただ、被ばく量や癌の部位・進行状態ごとの詳細な関連性のデータはなく、
あくまで「リスク要因の1つ」として挙げられるものです。

2011年に日本で起こった放射能漏れ事故に伴い、放射線と発がんリスクについてが問題視されています。
ここでは、診断用エックス線を調査対象とした全世界のリスク要因データを基に記述しております。
具体的な数字やデータに責任の追えるものではありませんが、参考程度と考えて頂ければ幸いです。

診断用エックス線による75歳までの発がん累積リスクの推定値は、世界平均は約3%と言われています。
この数字は、先進15カ国を抜粋し計算されていて、被ばく頻度によりその推定値は大きく変動が予想されます。
リスク要因が高い数字で示された癌は男性では膀胱がん、大腸がんと白血病の順。
女性では大腸がん、肺がん、乳がんの順となっています。

初期症状・症状について

  発熱  
必ずしも39℃以上の高熱であるとは限らず、発熱→解熱を繰り返す場合もあります。

  頭痛  
特に嘔吐を伴うもの。

  リンパ節の腫れ  
首周辺、耳の後ろ、顎の下、足の付け根のリンパ節の腫れ。

  胸の腫瘤  
白血病、リンパ腫、神経芽腫の際、左右の肺の間である縦隔部に腫瘤が出来る場合があります。
腫瘍が気管や心臓、脊髄を圧迫するので、咳、顔がむくむ、動悸、下半身麻痺が起こる事があります。

  骨・関節の痛み  
小児がんの初期症状として特に挙げられるものです。眠りを妨げる程の痛みも。

最新の診断方法

CTスキャン、MRIなどの画像検査、ガン細胞の量や増殖を示す血液あるいは尿検査などで行う腫瘍マーカー検査など、
補助的診断方法を組み合わせて検査を行う方法と、手術で病変を取り出し検査する方法とに大きく分類されます。
癌の発症部位・発症状態により、検査には数日〜数週間かかることもあります。

小児がんに対抗するための治療法・抗がん剤

小児がんを治療するための最新医療。

治療方法は大きく外科療法、放射線治療、造血細胞移植とがあります。

▼ 外科療法 ▼

成人に起こる癌の主な治療法として外科療法は有効ですが、
小児がんではガン細胞が小さく、手術で安全に腫瘍が切除できる場合にのみ使われる方法です。
ガン細胞が大きな場合では、まず抗がん剤などによる治療を行い、
化学療法で癌細胞を小さくしてから全摘を行なという方法が一般的です。

▼ 放射線療法 ▼

小児がんでは多く、抗がん剤を使用した化学療法・外科療法と、放射線治療を組み合わせて行うのが一般的です。
放射線治療は毎日少量の放射線を分割して放射します。痛みはありません。

▼ 造血細胞移植 ▼

血液を作る基となる造血幹細胞を移植し、造血障害を正常にします。
骨髄移植、末梢血幹細胞移植、臍帯血移植の三つの方法があります。
移植ですが、手術方法自体は輸血と同じく点滴により行われます。
期間は2〜4週間程度かかり、治療中は感染に対して大変無防備な状態となるため、
多くの場合無菌室にて治療が行われます。

小児がんになったら

小児がんと診断されたからといって愕然としたまま過ごすわけにはいきません。

診断された数日〜数週間は現実を受け入れられなくて悩み、葛藤し、自暴自棄になり気が立ってサポートしてくれるはずの家族や友人・スタッフに当たり散らすのはごく自然で人間らしい行動です。人間は誰しもがんという病に侵される可能性を持って生れます。それが人よりも早いか遅いか、寿命よりも早いか遅いかの問題です。現代人の寿命が延びれば延びるだけ、寿命よりも病魔に侵される人が多くなります。

今、自分が病魔に侵されたと解った現実こそが運が良かったと思えるときがくるように前に一歩踏み出しましょう。

まず、病気をきちんと治療してくれる病院を見つけることから始めて、口コミや人気、評判を参考に有名な病院で自分に合った専門医を探しましょう。次に始めなければならないのが精神面のケアになります。精神面のケアは自分自身でも出来る対抗手段のひとつで、これからの人生にとってとても大切なターニングポイントです。

地域ごとに同じ病気で悩んでいる人たちと悩みを聞きあったり、苦労を分かち合ったりするサークルや集まりがあります。また、地域や病院によってはがんに関する知識を付けてもらおうとそれぞれの講座を開催しているところもあります。

目の前の敵に対して確固たる姿勢を見せつけてやりましょう。