胆管がんになったら 〜癌治療・がん保険・ガン検診〜

胆管がんとは何か?まずは知識を深めよう

胆管がんと診断されたからといって愕然としたまま過ごすわけにはいきません。

まずは胆管癌に関する知識を深めて、自分の中がどういった状態なのか、どうなるのか、どうすればいいのかを理解するところから始めましょう。そうすると自ずと何をしなければならないのかが見えてくるはずです。サポートをする周りの家族の方も一緒に知識を深められればより一層、生活に安定感が出るでしょう。

▼ 胆管がんとは ▼

胆管とは、肝臓と十二指腸を結ぶ管で、肝臓でつくられた胆汁を運ぶ役目をする器官です。
胆管は、肝臓の中を行く肝内胆管と、肝臓の外に出て小腸までの肝外胆管に分けられます。
胆管ガンは胆管の上皮にて起こる癌を指し、発生した胆管により、
肝内胆管ガンと肝外胆管ガンの2つに大きく分類されます。
多くの場合、胆管がんと呼ばれるのは肝外胆管で起こったものを指し、
肝内胆管がんは肝臓にできた癌として、肝臓ガンとして取り扱われる事も多くあります。

胆管癌は、さらに発育の仕方によって3つに分類されています。
◆胆管内発育:胆管内部にだけ起こり、こぶのように盛り上がるように大きくなります。
◆浸潤(しんじゅん)性発育:肝外胆管ガンで良く見られる症状です。
                  液体がしみこむように、周辺の上皮へと拡がっていきます。
◆腫瘤形成性発育 :腫瘍がさらに集まって腫瘍を作り、大きくなります。

▼ 発症率・再発率・生存率・リスク要因 ▼

  発症率  
日本人では1年に約20000人以上が発症すると言われています。

  年齢別の発症率  
50歳以降急激に増加します。

  地域分布  
日本人は他の東アジアやアメリカ、欧米に比べ、発症率が高い傾向にあります。

  リスク要因  
◆女性
◆肥満
◆高カロリー摂取
◆野菜・果物の摂取が少ない
◆出産回数が多い

▼ 放射線リスク・関連性について ▼

放射線照射における発がん性へのリスク要因は、以前から懸念されていました。
診断用エックス線は、人工的である放射線源としては最も線量の大きいもので、
世界平均の年間被ばく線量の15%を占めると言われていて、
診断用エックス線による発がんリスクはこれまでも問題視されてきました。
ただ、被ばく量や癌の部位・進行状態ごとの詳細な関連性のデータはなく、
あくまで「リスク要因の1つ」として挙げられるものです。

2011年に日本で起こった放射能漏れ事故に伴い、放射線と発がんリスクについてが問題視されています。
ここでは、診断用エックス線を調査対象とした全世界のリスク要因データを基に記述しております。
具体的な数字やデータに責任の追えるものではありませんが、参考程度と考えて頂ければ幸いです。

診断用エックス線による75歳までの発がん累積リスクの推定値は、世界平均は約3%と言われています。
この数字は、先進15カ国を抜粋し計算されていて、被ばく頻度によりその推定値は大きく変動が予想されます。
リスク要因が高い数字で示された癌は男性では膀胱がん、大腸がんと白血病の順。
女性では大腸がん、肺がん、乳がんの順となっています。

初期症状・症状について

  黄疸・かゆみ  
皮膚や目の白い部分が黄色くなる症状が現れます。
また、黄疸と併せて皮膚のかゆみが現れる場合も多くあります。
日本人は黄色人種なので、黄疸の軽度のうちは判別が難しいため、
併せてかゆみの症状をチェックすると良いでしょう。

  便の白色化  
便の色が白又はクリーム色になります。

  尿が茶色になる  
尿の色が濃く、茶色に近い色になります。
これは血液中のビリルビン濃度が高くなり尿中に排泄されるようになって起こります。

最新の診断方法

胆管ガンの多くは浸潤性発育を起こすため、しこりやこぶのような形を作りません。
そのため、診断は大変難しいとされてきました。
最近では特に画像診断の技術が発達し、胆管ガンの早期発見に貢献しています。

  超音波検査  
胆管癌では主に最初に用いられる検査です。
外来で簡単に行うことができ、痛みもなく、検査結果がすぐにわかるのも特徴です。

  コンピュータ断層撮影  
いわゆるCTスキャンという検査方法です。
さらに詳しい癌の状態を特定できます。
また造影剤を使用すると、癌がどの程度周囲の血管に浸潤しているかを確認できます。

  磁気共鳴画像  
いわゆるMRIという検査方法です。
コンピュータ断層撮影と同じく、胆管の拡張や病変の存在部位を診断できます。
情報内容が異なるため、コンピュータ断層撮影と併せて行うことで、
2つの情報を補いあい、診断の手助けをします。

胆管がんに対抗するための治療法・抗がん剤

胆管がんを治療するための最新医療。

治療方法は大きく外科療法・放射線療法・化学療法とがあります。
外科療法・放射線療法は「局所療法」と呼ばれ治療を行った部分にだけ効果が期待でき、
薬物療法では「全身療法」としての効果が期待されます。

▼ 外科療法 ▼

癌細胞の組織を含めた周りの正常組織も同時に切除するのが一般的です。
癌細胞のある部位により処置箇所は異なります。
特に胆管ガンの場合、重要な血管や臓器が隣接しているため、
病巣の広がり具合により手術内容は大きく異なります。

▼ 放射線療法 ▼

照射の方法により大きく3つに分類されます。

  外部照射  
身体の外から放射線を照射します。
放射線量を少なくし、繰り返し照射します。

  術中照射  
術中、癌の部分を露出させて、直視下で大量放射を行います。

  腔内照射法  
胆管の中に針のようなものを届け内側から直接ガン周辺を照射する方法です。

胆管は、放射線に対する感受性が高くなく、
そのため、他の臓器への弊害が問題視されています。

▼ 薬物療法 ▼

薬物療法では多かれ少なかれ副作用が想定されます。
副作用は人により症状の重さ・軽さなどが違ってきます。
薬物療法は副作用が起こる個人差の大きい治療法ですので、十分な説明を受け、知識を深めることも大切です。

胆管がんになったら

胆管がんと診断されたからといって愕然としたまま過ごすわけにはいきません。

診断された数日〜数週間は現実を受け入れられなくて悩み、葛藤し、自暴自棄になり気が立ってサポートしてくれるはずの家族や友人・スタッフに当たり散らすのはごく自然で人間らしい行動です。人間は誰しもがんという病に侵される可能性を持って生れます。それが人よりも早いか遅いか、寿命よりも早いか遅いかの問題です。現代人の寿命が延びれば延びるだけ、寿命よりも病魔に侵される人が多くなります。

今、自分が病魔に侵されたと解った現実こそが運が良かったと思えるときがくるように前に一歩踏み出しましょう。

まず、病気をきちんと治療してくれる病院を見つけることから始めて、口コミや人気、評判を参考に有名な病院で自分に合った専門医を探しましょう。次に始めなければならないのが精神面のケアになります。精神面のケアは自分自身でも出来る対抗手段のひとつで、これからの人生にとってとても大切なターニングポイントです。

地域ごとに同じ病気で悩んでいる人たちと悩みを聞きあったり、苦労を分かち合ったりするサークルや集まりがあります。また、地域や病院によってはがんに関する知識を付けてもらおうとそれぞれの講座を開催しているところもあります。

目の前の敵に対して確固たる姿勢を見せつけてやりましょう。